オリキャラ出しまくってたら訳わからなくなってきたので
(しかも読んでてつまらなさそう!)
オリキャラ達をヘリオポリス学生に変更しました。
例のキャラ達が死んだりするので苦手な人は気をつけて下さい。
(しかも読んでてつまらなさそう!)
オリキャラ達をヘリオポリス学生に変更しました。
例のキャラ達が死んだりするので苦手な人は気をつけて下さい。
「なぁなぁ、新しいコロニーの名前決まったんだってよ!」
そういって研究室に飛び込んできたのは、研究グループの中で
一番快活な、トールだった。
手にした書類を円卓へ広げ、全員その書面に釘付けになる。
「名前決めるの、遅かったな。公式発表の時まで決まらないかと思ってた」
「しっかし、散々遅れた挙げ句、この名前とはなぁ。システムファイル名をとりあえずこれに変えとくか」
眼鏡をおしあげて嘆息するサイに、トールは暗に変な名前だなとぼやきながら
システムを起動させる。
「別にいいんじゃない?私は結構好きかな」
その場にいた唯一の女性であるミリアリアはカメラを取り出して、記念撮影だと微笑む。
何の記念だと柳眉を顰めるサイを先にカメラに納め、命名記念だとはしゃいだ。
システム調整を放っておいて歓談していると、研究室の扉が開かれる。
一同は一旦緊張してドアの方へ視線を向けたが、そこに立っていたのが
自分達のリーダーだと気付くと、そのままのテンションで名を呼んだ。
「キラ!コロニーの名前決まったぜ!!」
キラは両脇にパトリック、エザリアを連れ立って室内へと入ると
トールから差し出された書類を手に取る。
「アプリリウス・・・かぁ。言い辛いね」
「コロニー完成の公式発表もそろそろって事ね」
横から書類を覗き込んで、エザリアは言う。
それにキラは苦い顔を作った。
「なんだぁ?キラ、上層部に何か言われたのか?」
トールの問いに、キラは強く頷いた。
「そうそう、聞いてよ。システム一部書き直せって。
お前のシステムは解読しづらいってさ。失礼しちゃうよねぇ」
「当り前だ。だからオリジナルでシステム構築するなと言っただろう」
それはひどい、という同情を貰おうと愚痴ったのに、隣からピシャリと切り捨てられ
キラはパトリックを恨めしげに睨む。
「とりあえずキラ、記念撮影しましょうよ!」
ミリアリアがそう声をかけてカメラを構えると、途端キラは瞳を輝かせて
エザリアとパトリックの腕を引いた。
「いいね!アプリリウス市命名記念!」
「撮るわよー。パトリックも笑って笑ってー」
パトリックが笑う事が苦手と知っておきながら、そう声を掛けるミリアリアに
キラはつい爆笑してしまった。
アプリリウスの名前が公式で発表された時、キラ達は研究室に引きこもり最終調整を行っていた。
「しっかし、ここまで頑張っても俺達の名前は出ないんだよなぁ」
トールが不服そうに漏らす。
一番システム構築を手がけているキラでさえ、その存在が表彰される事はない。
全て上層部の、チェックだけをする"年輩の方々"に手柄は持って行かれてしまう。
「ま、仕方ないさ。俺等もまだまだってことだ」
サイが諭すよう言うと、トールはむくれながらもそれ以上言うことは無かった。
「そうそう、写真現像出来たわよ」
ミリアリアが写真を机の上に広げる。
キラはその中の一枚を手に取る。
パトリックと、エザリアと共に映っている写真だ。
それを眺めていると、途端室内の電気が消え、暗闇に包まれる。
「え??」
「おいおい!停電ってか!?システムダウンしちまうじゃねーかよ!」
「みんな、落ち着いてすぐ補助電が・・・」
ババババババッ!!!
暗闇の中、その微かな音を拾い一同は沈黙する。
「ねぇ、今の・・・」
ミリアリアの声は明らかに怯えていた。
まさか、と固唾を飲み込んでいると、補助電力が入り赤い緊急灯が光る。
その明かりを頼りに、キラは真っ先に通信モニターを繋いだ。
他の研究室への通信が開く。
出たのはキラの上司である、初老の男だった。
『ヤマトか!?』
「すいません、今銃声のような音が・・・」
『ような、ではなく銃声だ!逃げろっ・・・!!』
そんな訳ない、と自分を励ましていた言葉が
一瞬で否定される。
切羽詰まった様子で告げる上司に、避難について承知する前に
銃声が再び響く。
『そっちは駄目だ!もう奴らが・・・・!!!』
モニターの向こうでは悲鳴と銃声が響き渡り、目の前で上司が崩れ落ちた。
カメラレンズに血がかかり、モニターが赤く染まる。
キラは、震えていた。
愕然とモニターを見下ろして、リーダーとして指示を出す事も出来ずに。
「キラ!」
唐突に肩を掴んできた手にキラは大袈裟に身体をはねさせて、身を引こうとするが
逆に引き寄せられ顔が相手の胸へとぶつかる。
パトリックは一瞬キラを強く抱きしめ、すぐ身体を離すとその顔を覗き込んで告げた。
「逃げるぞ!」
見たことのない、焦りに染まったパトリックの表情に、キラは怖々と頷いた。
敵が何人いるかは分からない。おまけに武器は何一つ無い。
しかしこの場に居ては、いつか奴らが自分達を殺しに来るのだろうと
誰もが察知していた。
薄暗い中、皆で顔を見合わせ、強く頷く。
「脱出ポッドは、一番近い所でも20分は掛かるな」
「じゃ、全力で走れば15分ぐらいでいけっかな」
冷静に言うサイに、トールは無理に笑って言う。
「じゃ、行くぞ・・・」
トールは戦闘に立ち、緊張で汗ばむ手で研究室のドアを開く。
最新のドアは、一瞬で開くから困る。もっと隙間を空けて、のぞき込めるような作りだったらいいのに。
なんて胸の内で不平を漏らしながら廊下に一歩踏み出して左右を警戒する。
まだ銃声は遠い。
駆けだしたら、足音が木霊して奴らに気付かれてしまうのでは、と危惧したが
かといって忍び足で脱出ポッドへ向かおうと言う者は誰一人いなかった。
ただ、早くここから逃げ出したい。
その一心だった。
トールは後ろを振り返り、頷いて駆けだした。
それに続いて全員が走り出す。
バラバラの足音が恐怖のせいか、余計に響いてるような気がして
キラは耳を塞ぎたい気持ちに駆られた。
脱出ポッドへは無事辿りついたが、そこには既に他の研究員で詰まっていた。
「もう、4人しか乗れない!乗るならさっさと乗ってくれ!!」
そう急かされ、キラは迷わず告げた。
「君達が乗って。」
「けど、女性の君が・・・・」
サイが女性から入るように促そうとしたが、キラはいいから、と断った。
「一応、僕はリーダーだからね。部下を死なすようなリーダーにはなりたくないよ」
そう笑みを浮かべるキラに、ミリアリアは涙を零した。
そして、トールに支えられながらポッドへと入った。
「・・・キラ、パトリック、生きて会おうな」
サイは2人の肩を叩いて、エザリアの手を取る。
「私も、私もキラと・・・!」
「いいから行くぞ!!」
キラと共に、と愚図るエザリアを一喝し、サイは無理矢理中へと押し込んだ。
皆が中に入ったのを確認して、キラは繋がれていたパトリックの手を強く掴んだ。
「ごめん。勝手に決めちゃった」
キラはパトリックへと顔を向けず、俯いて言う。
「・・・構わん。次のポッドへ急ぐぞ」
パトリックはキラの手を握りかえし、足を進めた。
段々と早くなり、走り出すパトリックに引かれながら、キラは寡黙な彼氏に心の底から感謝した。
ポッドの中で、全員が安全ベルトを装着する。
エザリアは震えながらそれを取り付け、涙を零していた。
「きっと、キラ達は大丈夫だ。」
隣にいるサイが気休めに、声を掛ける。
何の確証もないけれど、ただ大丈夫だと言うしか出来なかった。
そろそろ出発の為ドアにロックがかかる、という頃エザリアは唐突に安全ベルトを外し、
立ち上がった。
「エザリア!!」
行くな、と伸ばされた手を振り切り、長く美しい銀髪を乱して駆け出す。
ドアを開き、外へと消えていくエザリアを、サイは追い掛けようとした。
だが。
「もうこれ以上待ってられん!」
そう声を荒げて、パネル操作を行っていた男がロックを掛けてしまった。
同時に、ベルトも外れぬようになる。
「エザリアが・・・!!!」
そして、脱出のボタンが押された。
エザリアは足を止める事なく、ポッドから離れていった。
武器も力も持たぬまだ14歳の成人したばかりの女が生き残れるなんて思っていなかった。
しかしその可能性は、キラとて同じで。
幾ら傍にパトリックが居ようとも、殺人兵器の前で太刀打ちは出来ない。
エザリアはパトリックの事はどうだってよかった。
ただ、キラの傍で生きるか、死ぬか。どちらかで在りたかった。
だから、自分だけが助かる道を敢えて捨てた。
キラが無事なら、自分も無事で。
ミリアリア達ときっと再会出来る。
そう希望を抱いていた。ところが。
ドゴオオォォンッ!!!
「なっ・・・!?」
背後から起こった爆音に、振り返る間もなく熱風で身体が飛ばされ、転がる。
強かに身体を打ちがらも、かろうじて意識を手放さずに済んだエザリアは
倒れた体勢のまま後ろを振り返る。
瓦礫の山の隙間から煙と炎が漏れている。
「あ・・・あ・・・・」
エザリアは瞠目して唇を戦慄かせる。
瓦礫に押しつぶされている、ポッドの破片、"人だった何か"。
「サイっ・・・ミリィ、トールっ・・・・!!!」
声を張り上げて呼ぶけれど、何の反応もない。
尤も人が集まる場所だからこそ、ポッドには仕掛けが施されていた。
恐らくは発砲する前に爆弾を設置していたのだろう。
多数がポッドへと逃げ込みんだ後、脱出と爆発のボタンが連動して、
生きようと必死だった人々を一瞬で殺した。
人の灼ける匂いに、エザリアはその場で嘔吐する。
荒い呼吸を繰り返し、這い蹲ったまま前進する。
「キラっ・・・・キラァ・・・!!!」
そこでエザリアの意識は途絶えた。
「エザリア達、無事脱出出来たかな」
「宇宙(そら)に出れば、追われる事もないだろ」
そうだよね、とキラは呟いた。
次の脱出ポッドへと続く部屋は、誰も居なかった。
不思議な程人が居ないのに、ここへは逃げられない状態になったのかと
嫌な想像をして、キラはぞっと身を震わせた。
2人はポッド内部へ入り、稼働確認をする。
「ちゃんと、動きそうだな」
「良かった・・・・」
キラが安堵して息を吐くと、背後から物音がしたのに慌てて振り返る。
脱出ポッド手前の部屋には銃を手に構え、こちらへと向けている黒装束の人間が立っていた。
背格好からして男だろうが、顔の大半を黒い布で覆われており、何者か判別つかない。
恐らく、それが無くとも知らない人物ではあるのだろうが。
キラは震えながら、後ずさりする。
パトリックはそんなキラを隠すよう抱き寄せ、相手を睨め付ける。
しかし、キラの肩を強く抱く手も僅かに震えており
隠しきれない恐怖がにじみ出ている。
キラがぎゅっとパトリックの服を掴む。
パトリックは一度キラを抱く手に力を込め、次いで勢いよく突き飛ばした。
「パトリックッ・・・!?」
パトリックは瞬時に駆けだす。
黒装束の男がすぐに発砲したがそれを避け、そのまま突進する。
二発目の銃弾が腕に当たったが、パトリックは足を止める事無く男へ体当たりをした。
横転した男に乗って、銃を持つ腕を片手で押さえつつ男の首にもう一方の肘を押し当てる。
そして。
パンッ!!!
キラは身体を起こし、呆然とパトリックの背中を見つめていた。
まっさらな白衣の中央から段々と赤い色が滲んできたのに身を震わせて叫んだ。
「パトリック!!!!」
パトリックはそのまま崩れて倒れる。
しかし、黒装束の男は起きあがらない。どうやら意識を失ってるようだった。
キラは直ぐさま駆け寄り、パトリックを仰向けにして容態を調べた。
パトリックの腹部、左腕からは赤い血が止まる事なく流れ続け、
キラは自分の白衣を脱いで破り、腕を縛ってから残りの生地を腹部に押し当てる。
しかし、それすらも段々と血で染まり、パトリックの顔は見る見る蒼白になっていく。
「駄目だっパトリック!しっかりして!!!」
キラはぼろぼろ涙を流して手に力を込める。
「キラ・・・ポッドへ・・・」
パトリックは荒い呼吸をしながらも、キラを促す。
「俺を置いていけ・・・」
「馬鹿言わないで!!」
ポッドは直ぐ其処なのだから、と。
キラはパトリックを抱え起こそうとする。が。
「・・・逃がさん・・・」
意識を取り戻した黒装束の男が、微かに咳き込んで起きあがる。
キラはパトリックを守るよう抱きしめる。
ぼろぼろと涙を零しながらも、男から一切目を逸らさずに睨め付ける。
「蒼き清浄なる世界の為にっ・・・・!!!」
パンッ!!!
目の前でうっすらと上がる硝煙を、キラは呆然と見つめていた。
その向こうで嫌な笑みを浮かべていた男が倒れる様がいやに遅く感じた。
のろのろと視線を煙からおろし、銃へ、それを持つ手へ、そしてパトリックへと向けた。
パトリックは咳き込むと同時に吐血し、全身から力が抜けて腕が落ちる。
「パトリック・・・・!?」
慌てて呼吸の確認をする。
微かにだが、息はある。
しかし出血量が多く、余り良い状態とは言えない。
むしろ、最悪の所だろう。
背後から足音が聞こえる。
「・・・パトリック、君は絶対、僕が守るから・・・」
キラはそう呟き、意を決したよう振り向いて立ち上がった。
涙はもう止まっている。
痛々しい程の軌跡が残ったままではあるが
キラの眼差しは強く、何か圧倒させるものを感じさせた。
振り向いた先には、予想通り黒装束の男が居た。
床に倒れ込んでいる仲間の脈を測る者と、マシンガンを向けている者。
「・・・ヒビキ、という名をご存知ですか?」
リーダー格と思しき男の目が、明らかに鋭く光り、反応する。
仲間が絶命している確認のとれた男は立ち上がり、同じように険しい眼差しでキラを見やる。
「僕はその名を持つ、唯一の成功体です・・・欲しいんじゃないんですか?この身体の遺伝子情報を」
男はただじっとキラを見下ろしている。
キラは汗を額に滲ませながら、畳み掛けるように告げる。
「彼に手を出さないで、このまま去る、というのなら。
おとなしく貴方方について行きます。
けれどもし、彼を殺そうとするならば、・・・舌を噛んで自殺します」
ヒビキの名にどれだけの価値があるか、キラは明確には分からない。
けれどコーディネイターを忌み嫌う者達にとっては
最も殺したい対象であり、同時にどのように造られているか、研究の対象でもあると自覚していた。
だからヒビキの名を語ったことはなかった。
ただ1人、パトリックを除いては。
男が銃を下ろし、部下にも下がるよう命じる。
「コーディネイターの更なる上を行く者、か。
良いだろう。お前を持ち帰った方が上も喜ぶ」
キラは一先ず安堵の溜息を吐いた。
これで、パトリックは大丈夫だろう。
苦悶に満ちた顔を見納めだとじっと見つめ、その頭を抱えるようキツク抱きしめる。
そして静かに横たわらせた時、ふとパトリックの腹部に押し当てている自分の白衣に
目をとめた。
かろうじてまだ血の滲んでいないポケットからはみ出ている物を手に取る。
それは、咄嗟にポケットに入れていた、パトリックとエザリアとの写真だった。
それを服の内側に隠すよう閉まって、キラはすっくと立ち上がった。
「さようなら、パトリック」
C.E41 アプリリウス暴動事件 発生
反コーディネイター組織―――現ブルーコスモスにより
アプリリウスプロジェクトチームが襲撃される
研究員55名死亡
犯行組織・正式人数不明 内1名死亡
負傷者23名
行方不明者・・・・・キラ=ヤマト 1名
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